アプリ開発を行う際は、資金調達が課題になることが少なくありません。開発コストを抑える方法はありますが、アプリの機能性との兼ね合いが大切です。補助金を活用することで、機能性を妥協することなく開発費用を抑えられます。この記事では、2025年に利用できる補助金について詳しく解説します。
アプリ開発に利用できる代表的な補助金は以下の4つです。
ここでは、それぞれの補助金の特徴を確認していきましょう。
中小企業の技術革新や生産性向上を支援する補助金です。AIやDXを活用したアプリ開発も対象となる場合があります。革新的なサービスや試作品開発、生産プロセスの改善を目的とした設備投資が支援対象です。最大1億円の補助が受けられるケースもあります。
小規模事業者の販路開拓や業務効率化を支援する補助金です。顧客向けの販売アプリや予約システムの導入が対象となる場合があります。事業計画を作成し、商工会議所などの支援を受けることで、必要な経費の一部を補助してもらえる制度です。
事業の転換や新分野進出を支援する補助金です。最大8,000万円の補助が受けられる場合があります。従来の対面サービスをアプリに置き換えるなど、新たなビジネスモデルへの挑戦が対象となります。ポストコロナ時代の経済変化への対応を目的とした制度です。
中小企業や小規模事業者を対象に、業務効率化や生産性向上を目的としたITツールの導入を支援する補助金です。クラウドサービスやパッケージアプリの導入費用が対象となり、最大2年分の利用料も対象となる場合があります。
「ものづくり補助金」について、より詳しく解説します。「ものづくり補助金」は、中小企業向けの補助金です。革新的な製品・サービス開発を支援することを目的としており、DX推進に関連するアプリ開発も対象になる可能性があります。
「ものづくり補助金」は、AIやIoTを活用したプロジェクトが対象となる場合があります。たとえば、AIを活用した業務自動化アプリは、生産性向上を目的とした効率化ツールとして採択されやすいです。また、IoTと連携したスマートアプリは、データ収集や自動制御を実現するシステムとして注目されています。顧客管理を強化するCRMアプリも、付加価値の向上を目指すプロジェクトとして適用可能です。
補助金の目的を考慮して、革新的な技術活用を明確に示すことがポイントです。補助金の審査では、開発するアプリやシステムがどのように生産性向上や付加価値向上に貢献するかを具体的に説明する必要があります。
AIやIoTなどの先端技術を活用したアプリの場合は、その技術がどのように業務効率化や新たな価値創出につながるかを明確に記載しましょう。
また、申請には事業計画書の作成が必須であり、計画書には事業の目的、実現可能性、収益性などを詳細に記載する必要があります。
「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者の売上向上や業務改善を目的とした補助金で、販路開拓や業務効率化の取り組みを支援します。商工会議所や商工会の支援を受けながら申請を進めるため、比較的申請しやすい制度です。
小規模事業者が販路拡大や業務効率化を目的としたアプリ開発に活用できる補助金です。対象になるアプリ開発例としては以下のようなものがあります。
ECサイトと連携した販売アプリはオンライン販売の強化に役立ちます。また、予約・問い合わせの自動化アプリは業務効率化を促進し、顧客対応をスムーズにすることが可能です。SNSと連携したマーケティングアプリも、新規顧客の獲得や販促活動に役立ちます。
事業計画の実現可能性を明確に示すことがポイントです。審査では、計画が現実的であり、売上向上や業務効率化にどのように寄与するかが重視されます。そのため、導入するアプリやツールの具体的な効果や活用方法をわかりやすく説明することが重要です。また、申請には必要書類を揃えることが必須であり、事業計画書には目標やスケジュール、予算配分などを詳細に記載しましょう。
中小企業や中堅企業の事業転換や新規事業立ち上げを支援する補助金です。新分野展開、業態転換、事業再編など、ポストコロナ時代の経済変化に対応した挑戦が対象となります。補助額は最大8,000万円で、革新的な取り組みに活用できます。
対象となるアプリ開発例としては、次のようなものがあります。
既存事業のデジタル化や新たな顧客層の獲得を目的とした取り組みとして申請が通りやすい傾向があります。
事業転換の理由を明確に説明することが重要です。市場環境の変化や課題を具体的に示し、それに対応する新事業の必要性を論理的に説明しましょう。また、具体的な事業計画書の作成が必須です。目標、スケジュール、収益見込みを詳細に記載することで採択される可能性が高まります。
中小企業や小規模事業者へのITツール導入を支援する補助金です。対象となるのは、ソフトウェアやクラウドサービスなどの導入費用で、経費の一部が補助されます。申請には事業計画書の作成やIT導入支援事業者との連携が必要です。
IT導入補助金は、業務効率化や生産性向上を目的としたアプリ開発に活用できる補助金です。対象になりやすいアプリ開発例としては、次のようなものがあります。
業務効率化アプリは、日常業務を自動化し、作業時間を削減するツールとして採択されやすいです。また、クラウド型ビジネスアプリは、データの一元管理や遠隔操作を可能にし、働き方改革や業務の柔軟性向上を実現します。生産性向上やコスト削減に寄与するアプリなら補助金の趣旨に合致するため対象になる可能性が高いです。
ソフトウェア導入費用が対象であることを理解し、導入するITツールの必要性や効果を具体的に説明することがポイントです。また、申請時期を事前に確認し、スケジュールに余裕を持って準備を進めてください。公募要領や締切日を公式サイトで確認し、必要書類を揃えて計画的に進めましょう。
補助金・助成金を申請する際には、「後払い」「経費認定」「ルール」に注意が必要です。それぞれ詳しく解説しますので、チェックしてください。
補助金・助成金は基本的に後払い方式です。申請者がまず対象となる費用を立て替える必要があります。そのため、アプリ開発などのプロジェクトを進める際には、事前に十分な資金を確保しておかなければいけません。補助金が交付されるまでには審査や手続きに時間がかかる場合が多いため、資金繰り計画をしっかりと立てて、事業の進行に支障をきたさないように備える必要があります。
事業期間外の支出は経費として認められない点に注意が必要です。補助対象となるのは、交付決定日以降に発注し、補助事業期間内に支払いが完了した経費のみです。事業期間外に発注や支払いを行った場合、それらの経費は補助対象外となります。また、実績報告で事業計画に基づく取組を証明できない場合も対象外となるため、計画的なスケジュール管理が重要です。
補助金は税金を原資としているため、用途や条件が厳格に定められています。公募要領や交付規定をよく読み、条件を正確に理解した上で申請書類を作成することが大切です。また、交付決定後は、補助金の利用目的に従って事業を進める必要があり、違反した場合は返還や罰則が科される可能性があります。
アプリ開発に活用できる補助金として、「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」「IT導入補助金」の4つを紹介しました。それぞれ支援対象や要件が異なりますが、革新的な技術活用や業務効率化、新規事業展開などを目的としたアプリ開発が対象となります。申請時には、後払い方式であること、事業期間外の経費は対象外であること、さらに厳格なルールに従う必要がある点に注意が必要です。計画的な準備と詳細な事業計画書の作成が成功の鍵となります。
ここでは、「PoC（Proof of Concept：概念実証）や実現性」に強いベンダー、「連携やインフラに関する技術力と提案力」に優れたベンダー、「低コストの設計・保守」を可能にするベンダーをそれぞれ紹介します。
