ここでは、宅配業界におけるドライバー支援ツールとして、開発された「配達アプリ」の事例をご紹介します。ドライバー不足が叫ばれて久しい宅配業界。根性論だけでは対応できない状況です。アプリなどのIT技術を駆使し、配達業務の効率化を図る時代へと突入しました。
住宅地図で知られるゼンリンは、全国の各世帯の地理的情報を知り尽くした強みを活かし、宅配ドライバーの業務効率化に向けた支援アプリをリリースしました。
配達する荷物の情報を登録すると、地図上に当日配達すべき各種のポイントが視覚的に表示。各荷物の配達時間指定や、宅配先の住所における宅配ボックスの有無などの情報も、スマホに表示された地図上で鳥瞰的・直感的に確認することが可能です。
ドライバー業務の大幅な効率化を目指すアプリとして、宅配業界では注目されています。
ゼンリンがリリースした配達ドライバー支援アプリの特徴を見てみましょう。
各世帯における宅配ボックスの有無や、指定の配達時間などの情報、および世帯ごとの個別情報(何時くらいに在宅していることが多いか、など)を、詳細に登録することが可能です。
「指定時間なし」を始め、配達指定時間に応じてアイコンが色分けされて、配達エリアの地図に視覚的に表示される仕組み。色を見ながら直感的に配達業務の効率化を図ることができます。
宅配を終えた荷物については、地図上からアイコンが消える仕組み。残りの荷物の状況を、常にドライバーは地図上で確認することができます。
団塊世代の退職や現役世代の人口減少、緩やかな景気回復基調などを背景に、現在、日本ではほとんどの業界において人手不足が深刻化しています。中でも特に深刻化している業界の一つが宅配業界。宅配業界における現状の問題を確認し、IT技術による問題解消の可能性について考察してみましょう。
Amazonや楽天市場などの通販市場が、想定以上に伸びています。
通販業界が躍進し始めた当初は、「荷物が増えることで宅配業界は潤う」との予測があったのですが、現在では通販市場の著しい伸びに宅配業界が追いつけない状態。仕事を担う人手が不足し、宅配業界は悲鳴をあげています。
その一方で通販業界の伸びはとどまる様子がありません。個人でも簡単にネットショップ開業やオークションを行えるようになるなど、宅配業界への負担は、むしろ加速しています。
なお、宅配業界におけるこの問題のことを「宅配クライシス」と言います。
単身世帯が増えている昨今、通販サイトで注文した荷物を、一回の配達では受け取れない人が増えています。宅配先が不在であった場合、ドライバーは、当然ながら別の時間帯に荷物を再配達しなければなりません。国土交通省の調査によると、宅配用の荷物のうち、実に約2割の荷物が再配達に回されていると言います。
再配達に回されるドライバーの労働時間を合計すると、年間で約1.8億時間。ドライバーの人数に換算すると、年間で約9万人分の労働力が再配達に回されている計算です。人手不足が深刻化している宅配業界において、とても無視できる数字ではありません。
宅配業界が抱える上記のような問題に対し、社会は様々な対策を通じて問題の解消を目指しています。具体的には、戸別の宅配ボックスの設置や、通販業者による専用受取ロッカーの設置、荷物のコンビニ受取システムなどです。
しかしながら、これら対策は、コストやスペースの問題などから思うように進んでいないのが現状。荷物の職場受取を一般化すべきとの海外在住者からの意見も見られますが、大半の荷物は比較的大きな段ボール箱に入ったもの。これを抱えて満員電車で帰宅することは、日本では現実的ではありません。
宅配業界に人手不足が続く以上、現実的な問題解消の方法として、現状は宅配の効率化しかありません。具体的には、ゼンリンによる配達支援アプリなどを利用して、ドライバーのムダな動きを最小限にすることです。
政府では、将来的に外国人労働力の導入などを検討していますが、かりに外国人労働力が宅配業界に加勢したとしても、アプリなどのIT技術によって生まれる業務の効率化は有用であり続けます。宅配業界の人手不足に対して現実的に問題解消を目指す方法として、アプリなどのIT技術をより進化させる必要があるでしょう。
ドライバー不足が深刻化する中、物流業界は黙って状況を傍観しているわけではありません。問題解決に向けたさまざまな対策を企画・実行するなど、業界は常に変化の真っ只中。近年では海外発のUber Eatsによる新サービスも話題になるなど、宅配業界は刻一刻と変わり続けています。
変化の多い宅配業界。もはやアプリなどのIT技術を駆使し、変化に対応できる新たな付加価値を生み出してこそ、自社のシェア拡大を図ることができる時代に突入したのかもしれません。
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