スマホアプリの開発の流れのうち、企画の段階で行うことや注意点について解説しています。
スマホアプリ開発に取り組むにあたって、すぐにリソースの確保や各方面への外注の準備など、制作に入ろうとするのは危険です。ノーコードやローコードでの開発であっても、スマホアプリは十分に企画と準備を行わなければなりません。
投資が回収できるのか、あるいは何らかの形で投資した価値のある成果が得られるのか、入念に検討して見通しが立ってからスタートさせるべきです。
スマホアプリ開発に限ったことではありませんが、まずは企画立案から入ることが大切です。企画書などを制作し、社内合意を得られるようなレベルまで作り込んでから動き出しましょう。そのほうが社内での根回しや稟議がスムーズになり、プロジェクトの滑り出しがよくなるはずです。
社内での打ち合わせの段階で決めておくべきなのは、まずアプリの予算。アプリ開発事業に取り組むとして、どれくらいの予算を用意することができるのか、またその内訳はどのようになるのか。企画段階でアプリ制作会社へ見積りを依頼して、予算感を確認しておくとよいでしょう。
それからプロジェクトの骨格となる部分も定めておくべきです。アプリを開発する「目的」、アプリをリーチさせて使ってもらいたい「ターゲット」、そして同じようなカテゴリ、位置づけのアプリである「競合」。スマホアプリの企画をする上で、少なくともこの3点は明確にしておく必要があります。
目的がわからなければ、そもそもスマホアプリ開発事業をはじめる理由が誰にも伝わりません。それでは社内での合意が得られないので、何のためのアプリ開発をするのか明確にして、誰にでもその意義をわかるようにしておきましょう。
開発したスマホアプリは誰が使うのか、そのターゲットの設定は企画の価値を見定めるのに必要な要素です。そのスマホアプリを開発すると誰が喜ぶのかはっきりさせておくと、アプリの細かい機能や仕様、デザインなどが決めやすくなります。
これがぼんやりしていると、誰に向けて設計やデザインをすればいいのかわからず、どこにも刺さらないアプリになってしまう可能性があるのです。
企画の目的とターゲットが定まったら、そのアプリはどの会社のどのアプリと競合するのか調査しましょう。競合するアプリやサービスとの違い、差別化のポイントをはっきりさせて、それが市場に受け入れられる根拠も提示できるようにします。
違いがなければ、わざわざ競合するアプリを開発する意味はありません。差別化するポイントと、それが競合に対してどのように優位なのか明確にしておきましょう。それによってアプリ開発の細かい部分を定めるときの指針になるはずです。
スマホアプリ開発のリリース計画を立てる場合に気をつけたいのは、段階的なリリース計画を心がけること。
一般的に、アプリに搭載したい機能がすべて実装されてからアプリをリリースすることを考えがちです。しかし、それらの完全な実装を待っていると競合に先を越される可能性があります。企画からリリースまでの時間がかかりすぎて投資の回収が遅くなるなど、スピード感にも問題があると言わざるを得ません。
そのため、最近ではスマホアプリは最低限の機能を実装した時点でリリースすることが主流になっています。そしてユーザーの反応を見ながらその後の開発の方針を軌道修正していき、アップデートで機能を増やしていく方法がとられるようになりました。このような段階的なリリース計画で進めていくことをおすすめします。
リリース日が決まったら、そこから逆算してアプリの開発スケジュールを決めていきます。開発に割ける時間によって、アプリを一から設計していくフルスクラッチ型なのか、一定のフォーマットを使って短い期間で開発するノーコードあるいはローコード型での開発なのかを検討しましょう。
企画の規模や内容によって異なりますが、おおまかな目安としてはフルスクラッチ型であれば6ヶ月以上、ノーコードやローコードなら3ヶ月ほどを開発期間として確保しておくことが必要です。
スマホアプリ開発に対応しているベンダーは数多くありますが、それぞれに得意分野が異なります。下記のページでは、スマホアプリ開発の企画に強い企業をピックアップし、各社の特徴などをまとめました。ぜひこちらも参考にしてみてください。
ここでは、「PoC(Proof of Concept:概念実証)や実現性」に強いベンダー、「連携やインフラに関する技術力と提案力」に優れたベンダー、「低コストの設計・保守」を可能にするベンダーをそれぞれ紹介します。