スマホアプリ開発の工程のひとつ、テストについて解説しています。設計にしたがって開発されたアプリは、エラーがないかどうか入念なテストを経てリリースされます。ここではテストの内容や、テストにおいて注意すべき点をまとめました。
スマホアプリ開発の工程であるテスト、そしてリリースについて解説しています。ユーザーがアプリを使い始めてから不具合が見つかれば、信頼を失いアプリの評価も下がってしまうことは言うまでもありません。綿密なテストを経てリリースすることが重要です。
仮にリリース後にエラーが見つかってしまうと、クレームの受付などユーザーへの対応、そしてアプリの改修費用など、膨大なコストと労力がかかってしまいます。スマホアプリ開発をする上でダメージを最小限に抑えるためには、厳密なテストでエラーをしらみつぶしに見つけておくことが必要なのです。
またエラーの発見だけでなく、テストを通じてアプリの品質チェックも可能です。品質が低ければ当然ユーザーは下がります。評価の低いアプリはユーザーに選ばれないので、ダウンロード数、利用者数も伸びません。テストは品質向上、高評価のためのもので、業績に直結するものだと言ってよいでしょう。
アプリ開発には、単体テスト、結合テスト、システムテストという3種類のテストがあります。
単体テストは別名ユニットテストとも呼ばれ、分割したプログラムの単位ごとに動作をテストするものです。設計したとおりに機能するか、論理構造に問題がないか確認をします。単体テストはモジュールを組み立てる前に行うので、仮にエラーがあっても修正がしやすい段階です。
あとから手戻りが発生しないように、単体テストの時点で問題を発見しておくのが理想と言えるでしょう。
結合テストは、単体テストでチェックしたプログラムをモジュールとして組み立て、同時に稼働させて行うテストです。操作と機能動作の組み合わせに問題がなく、仕様書どおりの動作をするかチェックします。結合テストは単体テストで問題がないことが前提で、エラーがあるとすればモジュールの設計に問題がある可能性が指摘できます。
最後に、システムテストは総合テストとも呼ばれるもの。すべてのプログラムとハードウェアを合わせ、全体の動作をチェックします。仕様書通りの性能を満たしていて、開発したとおりに動作しているか確認する段階にあたります。本番と同様の環境で動作させ、開発段階ではわからなかったバグやハードウェアの環境の問題もこの時点で発見します。
では、これらのテストはどのような角度から行われるのでしょうか。
まず、機能テストは動作ではなく、アプリの内部処理をチェックするテストです。システム、サブシステム、各プログラムのすべてのレベルで実施されます。スマホアプリであれば、iPhone、Androidそれぞれのバージョンや機種などあらゆる環境で試すことになります。
性能テストでは、ユーザーが快適にアプリを使えるかどうか、その性能をチェックします。動作が重くて快適に使えない、ずっと使っているとだんだん重たくなって使いにくくなる、サーバの反応が遅くなる…といった問題点を発見することができます。
負荷テストは、アプリやサーバに高い負荷をかけても正常に動作するかどうかチェックするもの。想定以上の負荷をかけた場合のストレステスト、許容できる上限付近の負荷をかけたときのロードテストの2種類があります。
最後にセキュリティテストを行います。情報の漏洩など、悪意のあるユーザーなどの攻撃に耐えられるセキュリティが整備されているかテストするものです。脆弱性診断、侵入テストといった項目は特に入念にテストされます。
テストは、設計の段階でどこまで行うか決定しておきます。スケジュールの設定は無理ないスケジュールで進めることが大切。リリース日も余裕をもって設定しましょう。
テストの実施では、テスト設計にしたがって厳密に行うことが重要です。設計通りのテストをしなかったばかりに、リリース後にエラーが見つかるようなことがあっては無駄なコストがかかってしまいます。
スマホアプリ開発ベンダーはさまざまな会社がありますが、それぞれに得意な領域があります。下記のページでは、スマホアプリのテストやリリースに強い会社をピックアップしてリサーチした結果をまとめています。ぜひスマホアプリ開発会社を選ぶ参考にしてみてください。
ここでは、「PoC(Proof of Concept:概念実証)や実現性」に強いベンダー、「連携やインフラに関する技術力と提案力」に優れたベンダー、「低コストの設計・保守」を可能にするベンダーをそれぞれ紹介します。