こちらの記事では、Androidアプリを開発する方法について解説しています。アプリ開発におけるポイントや必要な開発環境・プログラミング言語に加えて、開発を内製する際・外注する際それぞれのメリットとデメリットもまとめています。
Androidは、スマートフォンを含むさまざまなデバイスで使用されます。さらに、それぞれのデバイスで異なる画面サイズで使用されるため、幅広い機種と画面サイズで一貫した操作性を確保することが重要なポイントといえます。
アプリを使用している中でレスポンスが遅かったり、多くのリソースを使ってしまう場合、使用感の悪さからユーザーは利用をやめてしまう可能性が高くなります。特にAndroidデバイスはそれぞれで性能が異なるため、アプリが効率的に動作できるようにメモリ管理とパフォーマンスの最適化を徹底し、スムーズかつ効率的な動作が行えるような設計が求められます。
「マテリアルデザイン」は、2014年にGoogleが提唱したデザインであり、「見やすく直感的に操作できるWebページ・サービス」を作ることを目的として、ガイドラインが定められています。例えば、画面内で多くの色を使用するとユーザーの注意が散漫になりますので、あまり多くの色数を使わないといった内容が含まれています。 このマテリアルデザインのガイドラインに従って、視覚的に魅力的で一貫性のあるユーザーインターフェースを構築する点も、Androidアプリを開発する上で重要なポイントです。
Androidアプリを開発するためには、下記のものを用意する必要があります。
アプリを開発するにはプログラミングが必要となるため、開発用のパソコンを用意します。ただし、特別にスペックの高いパソコンを用意する必要はありません。また、Androidアプリの開発の際には、統合開発環境の「Android Studio」を導入することで作業が進めやすくなります。 また開発したアプリのテストのために、Android端末またはエミュレータを用意する必要があります。
Javaは、Androidアプリ開発における基本とも言えるプログラミング言語です。オブジェクト指向のプログラミング言語であるため効率よく開発が進められますし、学習サイトや書籍も充実しており比較的初心者でも学習しやすい言語です。書籍や学習サイトの内容も、初心者向けのものから実践的なレベルのものまで、自分のレベルに合わせた教材を選んで学べるのもポイントであるといえます。
Javaの代替として注目されている、比較的新しいプログラミング言語がKotlinです。Javaの欠点とされている部分を改善することを意識した設計が行われており、開発効率が向上する点がポイントといえます。 その一例として、Javaの場合は変数の定義の際には型指定が必須であるものの、Kotlinの場合は変数の方を推論してくれることから、変数定義の記述量が大きく減少する点がポイントです。また、アプリの思わぬエラーを防ぐための「Null安全性」と呼ばれる仕組みが導入されています。 KotlinはJavaとの相互運用性が高い面もあります。Javaで書かれたライブラリの活用も行えるため、効率よく開発が行えます。
処理速度が速くリソースを直接制御できるため、ゲームアプリや高い負荷がかかる処理を含むアプリ開発に向いているのが、C++と呼ばれるプログラミング言語です。 C++の特徴として挙げられるのが、C言語の全ての機能が含まれる点、そしてオブジェクト指向言語としての機能が追加されている点です。以上の点から、大規模な開発においても効率的にプログラミングを行えます。 ただし、C++はC言語を拡張したプログラミング言語であることから、覚える内容が多く難易度が高いとされています。その反面、覚える内容が多いからこそ、複雑なプログラムが書ける言語であるともいえます。
アプリ開発を行う場合には、まず環境の構築を行うことが必要です。ここでは、AndroidStudioなど開発に必要なものをインストール・ダウンロードします。また、テストを行うためのAndroid端末を持っていない場合はエミュレータの設定も行います。
開発環境の構築を行ったあとには、企画を行います。ここでは、「どのようなアプリを開発するのか」を決定します。システム開発における「要求定義」や「要件定義」といった部分に該当するステップといえますが、あまり複雑に考えすぎると使い勝手が悪いアプリになる可能性もあるため、使いやすさを意識したシンプルなアプリの企画を心がけることがおすすめです
どのようなアプリを開発するかが決まったら、開発・プログラミングに取り掛かります。Android Studioを使用することで、経験が少ないエンジニアでも開発を行いやすくなります。
アプリの開発が完了したら、そのアプリが正確に動くかどうかのテストを行います。Android端末を使用してテストを行えますが、もし端末がない場合にはエミュレータを使用してPC上でテストを行うことも可能です。
アプリの開発が終了し、テストも問題ない場合、アプリのリリースを行います。Androidアプリのリリースを行う場合、Google Playで公開することが一般的といえます。Googleアカウントをデベロッパーとして登録する際にコストがかかりますが、Androidアプリの場合はiOSアプリと比較してリリース時の審査の敷居が低いため、リリースしやすいという面があります。
Androidアプリ開発を自社で行う場合、開発からリリースまでのさまざまなノウハウを自社に蓄積できるというメリットがあります。さらに、アプリはリリースして終わりではなく、その後の運用も非常に重要。運用を行う中でユーザーから寄せられたフィードバックなども自社のノウハウとしての蓄積が可能です。加えて、開発中のアプリの仕様に関する情報を外に出す必要もないため、セキュリティ管理のリスクを最小限にできる点も自社で開発を行う際のメリットです。 また、アプリの運用時などに仕様変更が必要となった時も、自社で開発を行っている場合には迅速な対応が可能です。もし外注を行っている場合には、まず両社間で仕様変更や費用などに関するすり合わせを行うことから、対応完了までに時間が必要となります。 ただし、内製する場合はAndroidアプリ開発に必要となる知識やスキルを持った人員が必要ですが、もし社内に該当する人材がいない場合には採用や育成を行うことになります。しかし人材を採用して育てることは容易ではなく、長い時間が必要なケースもあります。
Androidアプリの開発を外注することによって開発期間を短縮できる点に加えて、アプリ開発を専門的に手がけている、高いスキルを持った専門業者に依頼できます。また、自社で対応する場合にアプリ開発を行うための人員を採用・育成するコストがかかりますが、外注する場合にはそのコストが必要ありません。自社でチームを組む場合よりもコストを抑えた形での開発が可能となるケースがある点も外注のメリットです。 ただし、どこに開発を依頼するかによって技術力やサポート内容に違いがある点には注意が必要であるといえます。この点によって納品されるアプリの質が変わってきます。また、アプリをリリースしてからの保守や不具合の対応などもどこまで対応してもらえるかといった点もあらかじめ確認しておく必要があります。
こちらの記事では、Androidアプリを開発する方法から、内製・外注それぞれのメリット・デメリットまで、アプリ開発を行う上で知っておきたい内容を解説してきました。便利なツールを使用することによって、シンプルな内容のアプリを開発することはそれほど難しくはないかもしれませんが、複雑なアプリを開発したいと考える場合には、専門の業者に外注する方法もあります。ぜひ、自社に合った開発方法を見つけてより良いアプリの開発につなげてください。
ここでは、「PoC(Proof of Concept:概念実証)や実現性」に強いベンダー、「連携やインフラに関する技術力と提案力」に優れたベンダー、「低コストの設計・保守」を可能にするベンダーをそれぞれ紹介します。