アプリ開発をアプリ開発会社に依頼する場合、アプリのライフサイクルの中で何を外注できるのか十分に把握しておくことです。開発工程すべて、あるいは一部のみ外注することもできます。開発後のストア登録やプロモーションにも対応している開発会社もありますので、依頼するときは自社に合った会社を選択しましょう。ここでは、アプリ開発を外注する際の流れについてご紹介します。
アプリ開発を外注し、運用していく一般的な手順は、企画・要件定義作成、外注先の選定、見積もり〜契約、設計・開発、テスト、ストア申請、運用です。依頼する前に流れを把握しておくと、自社で用意することやスケジュールが立てやすくなります。アプリ開発会社と密に連絡を取り合って進捗状況を確認するとスムーズに作業が進むでしょう。アプリ開発会社に依頼する場合、 IT業界専門のマッチングサイトやマッチングサービスの利用も検討してください。
はじめに企画を作成します。誰をターゲットにして、どんなアプリを作りたいのか、搭載する機能、いつリリースするか、目標としているダウンロード数など、アプリが完成したあとで「イメージと違う」ということにならないように詳細を決めていきます。
企画は基本的に発注する企業側がおこないます。外注先と一緒に企画をまとめることも可能です。共同で企画を作成した場合、外注先に細かい内容を理解してもらえるので、正確な見積りが得られるでしょう。
アプリ開発の外注先は、大きく分けてアプリ開発会社とフリーランスの2つです。アプリ開発会社は費用が高いですが一定のクオリティが期待できます。フリーランスは稼働開始が早く、費用を抑えられ、効率の良い開発が可能であることが挙げられます。
ゲームやコミュニケーションツールなど、アプリ開発会社によって得意分野が異なります。その中から、自社が開発したいと思っているアプリを得意としている会社を選択しましょう。
アプリを開発するための目的や必要な機能・性能、課題を引き出し、作業時間やどのくらい費用を必要とすればアプリが完成するのか方向性を決めていきます。
アプリをリリースする際に必要な機能や性能をまとめた「要求定義書」を作成します。要求定義書は企業側と開発側に認識のズレが生じないために必要な書類です。この内容をもとに外部設計と内部設計の作成をおこないます。
見積書を見て「安い」というだけで外注先を選んではいけません。コスト抑えることで頭がいっぱいになると、必要な機能が搭載されていなかったり、追加依頼ごとに費用が発生したり、トラブルが起きる可能性があります。料金が他より高くても外注先の対応が良ければトラブルが起きる心配もありません。契約書を交わす際は、料金以外にも担当者の対応も判断材料にするといいでしょう。
見積書を取ったら基本契約書を作成します。基本契約書には、作業内容やシステムのテスト方法、保証内容、納品日などが記載されています。
設計は外部設計と内部設計の2つにわけておこないます。外部設計は、アプリ全体のデザイン、構成、画面のレイアウト、機能、操作の流れなどを作成し、内部設計は、外部設計の内容に沿ってどのようにプログラミングするかを組み立てていきます。
外注先が主導になるケースが多いですが、企業側でも外部設計をおおまかに作成しておくと、外注先にイメージが伝わりやすくなります。内部設計はプログラミングの知識が必要なため、社内に詳しい人がいない場合は外注先に任せたほうがいいでしょう。
プログラミングが終了すると、要望や仕様通りに動いているかテストをおこないます。テストには単体・結合・総合・受け入れと何段階かあり、単体・結合・総合は外注先がおこないます。プログラムが正しく動くのか、複数のプログラムを結合させた場合正しく機能するのか、すべてのプログラムが要件定義書に記載されているとおり機能するのかを確認します。ユーザーも交えたテストも実施しますが最終的に企業側でテストをおこない、品質を確認します。
テストで問題がなければアプリの開発は終了です。ここまでの工程を外注先に依頼することもできます。
アプリストアに登録申請します。代表的なアプリストアは、「App Store」(apple)「Google Play」(Google)です。審査を受ける必要があり、審査の結果によって、アプリの改修を求められることもあります。合格していれば公開できます。Webアプリの場合は審査がありません。サーバーとドメインを確保すれば公開できます。
申請手続きは企業側でも可能ですが、開発会社の中にはストア登録も代行してくれるところがありますので、難しい場合は外注先が行うよう契約に含めておきましょう。
アプリ公開後は運用を続けます。不具合はあればすぐに対応し、機能の追加・改善や定期的なアップデートも必要です。発注する企業によって開発工程は外注先に委託して運用は自社でおこなうところもあります。運用だけ外注することもできます。
予算に余裕がある場合は、開発会社に、よりダウンロード数が上がるような改善や運用を任せてみてはいかがでしょう。
アプリの企画から運用までの一連の流れを外注先にすべて任せる、あるいは開発工程を分けて委託することもできます。アプリの運用を継続していくのは大変なことですので、プロにすべて任せてみてもいいでしょう。
どちらにしても外注先を選択するときは、自社のアプリの内容や予算などを考慮しながら、得意分野が合致し、サポート体制が充実している会社を選んでください。
ここでは、「PoC(Proof of Concept:概念実証)や実現性」に強いベンダー、「連携やインフラに関する技術力と提案力」に優れたベンダー、「低コストの設計・保守」を可能にするベンダーをそれぞれ紹介します。