店舗アプリとは、自社と顧客との接点を強化するためのスマホ向けアプリのこと。情報配信、販促活動、顧客管理などが主な用途となります。
搭載されている一般的な機能は、最新情報を伝えるためのプッシュ通知、割引・特典を提供するクーポン発行、定番サービスのポイントカード機能、店舗のスムーズな利用を実現する予約システム、顧客データを一元管理するCRMなど。これら多彩な機能を活用することで、新規顧客の獲得と既存顧客の定着を図るアプリが店舗アプリです。
店舗アプリを導入する主な理由は、集客力の向上や顧客満足度の向上、販促活動の効率化、顧客データの一元化による管理業務の効率化です。
たとえば、クーポン発行やポイントカード機能などを実装することで、集客力の向上や販促活動の効率化につながるでしょう。あるいは、プッシュ通知機能や予約システムなどを実装すれば顧客満足度が向上し、定着・リピート率が高まるでしょう。多くの店舗アプリ開発会社の公式HPでは、新たに店舗アプリを導入したことで売上率が向上した事例がたくさん紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
店舗アプリは、自社と顧客との関係を強化させるための有益なツールとして機能します。
店舗アプリの主な4種類の開発方法を見てみましょう。
ゼロベースから完全オリジナルのアプリを設計・開発する方法。設計・仕様の自由度や柔軟性が非常に高く、自社独自の要件に完全適応した店舗アプリを開発できる点は魅力ですが、4種類の開発方法の中では、開発に要するコストや時間が最も多くなることも理解しておく必要があります。
専用ツールやプラットフォーム等を使ってアプリを開発する方法。プログラミングの知識がなくても容易かつスピーディに開発できる点は魅力ですが、カスタマイズ性には制限があります。こだわりの機能を搭載したい場合には、別の方法を選択したほうが良いかもしれません。
既存のクラウドサービスを利用して店舗アプリを構築する方法。すぐに導入できる点、運用に手間がかからない点などは魅力ですが、パッケージ化されたサービスである以上、自社の要件に完全適応させられない可能性があります。
既存のソフトウェアを自社ニーズに合わせてカスタマイズする方法。スクラッチ開発に比べて低コストかつ短納期で実装できる一方、機能の追加には限界があります。
上記4種類の店舗アプリ開発方法について、改めてメリット・デメリットを表にまとめてみました。
| 開発方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| スクラッチ開発 | 自由度・柔軟性が高く、自社ニーズに完全適応させることが可能。 | 開発に要する期間が長くコストも高い。開発には高度な専門能力が必要。 |
| ノーコード・ローコード開発 | プログラミング不要で簡単にアプリが開発できる。開発までのスピードも速い。 | カスタマイズの自由度が低い。複雑な機能の実装も難しい。 |
| SaaS型店舗アプリ | 低コストですぐにアプリを導入できる。サーバー管理する必要もない。 | カスタマイズ性に制限があるため、オリジナル機能の追加が難しい。 |
| パッケージソフトのカスタマイズ | 比較的低コストで導入できる上、ある程度のカスタマイズ性がある。 | アプリを根本的な改変は困難なので、自社要件に完全適応しない可能性がある。 |
「予算」「開発期間」「必要な機能」という3つの要素を基準とし、それぞれの要素の優先順位を確定させることが先決。優先順位さえ確定すれば、後は自ずから選択すべき開発方法が見えてきます。
例えば、なるべく低コストで、なるべくスピーディに店舗アプリを導入したい企業は、SaaS型アプリやノーコード・ローコード開発を選ぶと良いでしょう。あるいは、たとえ時間やコストがかかってもオリジナリティの高い店舗アプリを開発したい企業は、スクラッチ開発が適しています。
改めて自社のビジネスモデルや目指す方向を確認し、優先順位を確定させた上で適切な開発方法を検討してみてください。
店舗アプリに搭載すべき必須機能は、業種によりやや異なります。以下、店舗アプリが広く普及している「飲食店」「小売店」「美容サロン」の3業種について、それぞれで必須と考えられる機能を見てみましょう。
| 業種 | 必須機能 |
|---|---|
| 飲食店 | 予約機能、メニュー表示機能、モバイルオーダー機能、ポイントカード機能、リマインド通知機能、クーポン発行機能など |
| 小売店 | オンライン注文機能、商品カタログ機能、クーポン発行機能、会員カード機能、在庫確認機能、店舗検索機能など |
| 美容サロン | 予約機能、スタッフ指名機能、利バインド通知機能、クーポン発行機能、施術履歴の保存機能、レビュー投稿機能など |
飲食店の場合、予約機能やモバイルオーダー機能は特に必須と言えるでしょう。小売店では、意外に在庫確認機能が他店との差別化につながる可能性があります。美容サロンでは、施術履歴の保存機能やスタッフ指名機能がリピーター獲得に有効です。
業種を問わず、基本機能に加えて次の機能もあれば利便性が良くなり、顧客満足度も向上するでしょう。
店舗アプリのユーザー体験を向上させるため、次の4点に注目してみましょう。
店舗アプリの開発費用は、開発方法により大きく異なります。また、同じ開発方法であっても、搭載する機能の種類や複雑さ、カスタマイズ性の高さなどでも費用に幅が生じます。以下の表は、1つの目安として参考程度にとどめておいてください。
| 開発方法 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| スクラッチ開発 | 500万~1,500万円以上 | 自社オリジナルの店舗アプリ開発が可能なものの、開発には高いコストと長い期間を要する。 |
| ノーコード・ローコード開発 | 10万~100万円程度 | コストが低く短期間で開発できるが、アプリのカスタマイズ性は低い。 |
| SaaS導入 | 月額1万~10万円 | 初期費用を抑えつつ導入できるが、カスタマイズ性に限界がある。 |
| パッケージカスタマイズ | 100万~500万円 | ある程度のカスタマイズ性はあるが、スクラッチ開発とは異なりアプリの根本改変は困難。 |
店舗アプリの開発費用は、主に次の4つの要素により変動します。
店舗アプリを導入したいものの、可能な限りコストを抑えたいという企業は、次の方法を検討してみましょう。
その膨大なコストに鑑み、店舗アプリを自社従業員に開発させようと考える企業があるかもしれませんが、店舗アプリの自社開発は極めてハードルが高い、と考えてください。
その最大の理由は技術力不足です。店舗アプリの開発を任せられるレベルのエンジニアを多く抱えている企業は、決して多くありません。スキルの不十分なエンジニアに対し、無理にアプリ開発業務を命じた場合、外注よりも期間やコストがかかる本末転倒な結果に終わる可能性もあります。
もとよりアプリ開発は、他に本来業務を持つエンジニアが片手間に行えるような作業ではありません。
現実的に自社開発が困難ならば、開発を外注する形となるでしょう。外注する主なメリット・デメリットを見てみましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 技術力・品質 | アプリ開発が専門の会社なので高い技術力と高品質な仕上がりが期待できる。 | 事前の情報共有に齟齬があれば、自社のイメージ通りの仕上がりにならない可能性もある。 |
| カスタマイズ | 自社ニーズに応じ、基本的にはどのような機能でもカスタマイズして搭載できる。 | 追加機能を開発してアプリをカスタマイズした場合、別途で費用がかかる。 |
| コスト | 長期的な視点に立てば、総コストは自社開発よりも安くなる可能性がある。 | 自社開発に比べ、少なくとも初期費用は高額になる。 |
| 開発スピード | アプリ開発を専門とする業者なので、自社開発よりも開発スピードは速い。 | 開発作業自体は速くても、仕様の決定や調整に時間がかかることもある。 |
| 保守・運用 | 導入後のアップデートや障害時の対応等を業者に任せられる。 | 保守・運用の費用が継続的にかかる。 |
そもそも自社内にアプリ開発を行えるエンジニアがいない場合、または不足している場合は、外注せざるを得ないでしょう。仮に十分なエンジニアが在籍していたとしても、各エンジニアには本来業務があるため手が回らず、結果として外注に頼らざるを得ないこともあるでしょう。
ほかにも、UX設計やセキュリティを重視した高品質なアプリを開発したい場合、短期間でアプリを導入したい場合、アプリ導入後も継続的に保守・運用を依頼したい場合などは、自社開発より外注が適していると言えます。
外注先として信頼できる開発会社を選ぶときには、何よりも過去の実績に目を通すことが先決。店舗アプリの開発実績の件数などを確認するとともに、実際にその開発会社に店舗アプリを開発してもらった企業の声もチェックしてみると良いでしょう
また、単なる開発作業に徹する業者ではなく、業界のトレンドやユーザー体験なども踏まえた提案をしてくれる業者を選ぶことも大事。自社とは異なる視点からの提案の中に、業績向上に向けた大きなヒントが隠れているかもしれません。
開発会社へ見積もりを依頼する際には、どの範囲(UI/UX設計、サーバー構築、機能追加など)まで対応してくれるのかを明確にしましょう。
その上で、予定の納期や費用の内訳、導入後の拡張性、運用開始後のサポート体制の有無や内容などをチェックします。
くれぐれも、総コストばかりに目が行かないよう注意してください。コストも重要ですが、コストに見合うサービス内容かどうかという点のほうが、より重要です。
開発会社選びで失敗しないためには、1社だけではなく複数の開発会社から相見積もりを取ることが大事。各社のサービス内容と価格を比較し、極端な会社(高すぎる、安すぎるなど)を外していきましょう。
候補となる開発会社を2~3社程度まで絞り込んだら、各社へより細かく自社の要望を伝えてリアルな費用感をイメージ。開発後の保守・運用の内容や料金等も確認し、最終的な1社を決定しましょう。
店舗アプリ開発の方法には、スクラッチ開発、ノーコード・ローコード、SaaS導入、パッケージカスタマイズなどがあります。それぞれの具体的な開発方法、カスタマイズ性、費用感などは全く異なるため、まずは自社ニーズを明確にした上で、選択すべき方法を検討しましょう。
また、コスト削減のため自社開発を検討しても良いのですが、結果として時間もコストも余分にかかる恐れがある点に要注意。自社開発をお考えの企業様も外注を選択肢から外さず、冷静に適切な方法を検討してみるようお勧めします。
業界トレンドを考慮しつつ、他社に対して優位性のある店舗アプリを開発し、さらなる顧客満足度の向上を目指していきましょう。